社労士三ッ塚真樹子オフィス

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労働問題の考え方

職場でのトラブルが発生した場合、まずは労働基準法を中心とした労働関係法令と現状を照らし合わせて考えます。しかし、最近はシンプルに解決できる労働問題が少なくなっています。

労働基準法や関係法令に当てはまるか

通常、労働に関するトラブルが発生した場合、その内容が労働基準法や関係法令(労働者災害補償保険法、職業安定法、最低賃金法、労働安全衛生法、雇用保険法、賃金の支払確保等に関する法律、男女雇用機会均等法、労働者派遣法、労働契約法など)の、いずれの部分に引っかかるのかを考えます。

もし、法令に違反していた場合は、行政機関(労働基準監督署など)による行政指導が期待できます。また、法令に違反していない場合でも、「通達」や「指針」などで、ある程度方針が示されている場合もあります。

しかし、すべての労働問題が労働基準法などで解決できるわけではありません。労働基準法などに細かく定められていない内容(例:退職の申し出)や想定されていない問題(例:いじめ・パワハラ)もあります。

当てはまらないものは、民法による

もし、あなたの抱える労働問題が労働基準法や関係法令に当てはまらない場合は、民法を当てはめることになります。(労働基準法等は、一般法である民法の特別法に当たります。)

例えば、「いつまでに退職を申し出たら良いのか」、「会社が退職を認めてくれない」という問題については、民法第627条(期間の定めのない雇用契約)を当てはめて考えます。解約の申し入れ後、2週間(ただし、月給制の場合は、当該賃金計算期間の前半に申し入れることになります)で終了することとなっており、会社の同意がなければ退職できないというものではありません。

また、例えば使用者が労働者に対して安全配慮義務(健康配慮義務)を怠った場合、労働契約法第5条違反となりますが、労働契約法には罰則がありません。そこで、民法(第709条(不法行為責任)、民法第715条(使用者責任)、民法第415条(債務不履行))等を組み合わせて、根拠にするケースもあります。

就業規則の記載内容も確認

ここで忘れてはいけないのは、就業規則です。会社の就業規則において、民法の規定とは異なる定めがある場合(例:「労働者は1ヶ月前に退職を申し出なければならない」)は、その規定に従う必要があるケースもあります。

労働基準法は「労働条件に関する最低基準」を定めたものであり(このほかの労働関係法令も考え方は同様)、法を上回る労働条件や法に細かく定められていない内容を就業規則に定めることも可能です。ですから、会社に就業規則がある場合は、就業規則の記載内容を確認することになります。(就業規則がない場合は個別の労働契約の内容を確認します。)

なお、就業規則の効力はとても強く、職場の現状に合わない就業規則がそのまま放置されていたとしても、就業規則の定めが優先される可能性が高いです。(例:形骸化した退職金制度であっても、就業規則を改定しない限り有効となります。)